死者のぼやき

Aloha

明け方電話が鳴った・・・・。
私は２４時間体制で、顧問契約の会社様の対応を行うので、電源は絶対に切らない。

明け方の着信が、メールではなくて、電話の場合大抵は良い知らせではない。
着信を見ると、古い知人の電話番号だった・・・嫌な予感がしたのですぐに電話に出ると、知人ではなく知人の母親からだった。

『ベベさんですか？こんな時間にすみません、実は〇〇ちゃんが死んだとですよ・・・。』

『あぁ・・・やっぱり・・・・。』

数日前、彼女と偶然近所のドンキで会った・・・・。
中学時代の同級生で、彼女の方から話しかけてきた・・・。
『１3組の〇〇さんやろ？』

私の中学校は、ベビーラッシュも手伝って１〜15組くらいまであった・・・・。
1クラスに５０〜５５人とか生徒がいたから、正直同じ学年でも、15組まであれば、７００〜８００人規模になるので、お友達の顔なんか、ほとんど知らない。

でも、彼女は私のことを知っていた・・・。

話を聞くと、中学の1年の時に陸上部だった私は（陸上部だったことすら忘れてたけど）夏休みに開催される、水泳大会の何かに抜擢されたらしく（それすら覚えてないんですけどね。）彼女と一緒に水泳の方に参加していたらしい。

その時、急に月のモノが始まった彼女が、当時そこそこご高齢の女性の体育教師に、『アレが始まったから、今日は水泳の練習を休みたい。』と伝えたところ、その教師が『そんなモノで休むな！生理は病気じゃない！』と罵倒し、無理矢理プールに入れさせたそうです。

その時、私がその体育教師に食ってかかったのかと思ったら・・・。

『まるで吐き捨てるように、血だらけの水着で歩いてたら見苦しいし、男子の妄想の対象になる、教師なんだから考えたらわかるだろ？』と言った内容の、中学生らしからぬ言葉を教師に投げたそうです。

実はその部分だけは、ちょっとだけ覚えてるような気がするのですが・・・・。

元々、私の不登校の原因は『学校に行けない』のではなく、『教師の頭が悪いから行きたくない』だったことも、思い出しました。変な子供ですよね・・・私が教師なら関わりたくないタイプの子供です。

その時、その女教師が私に対して逆上したことがきっかけで、私は水泳大会の出場を辞めたらしい。

翌日から、練習にも来なくなって、陸上部も辞めたそうだ・・・（笑）

そういえば、中学の時一瞬だけ陸上部だったけど、どうして辞めたのかすら、私の記憶にはなかった。

彼女は、夏休みが終わる頃、隣の学区に転校したそうで、その後は私と顔を合わせる事がなくなったそうです。
でも、自分のせいで『私が陸上部を辞めた』と、ずっと気になっていたとのこと。

人気のなくなった、ドンキのフードコートで彼女はそう言って私に『あの時はありがとう』と、お礼を言ってくれました。

私は、そういう事があったことすらほとんど覚えていないし、そもそも陸上部を辞めたのも『陸上部じゃモテない』からだったはず！と答えると、彼女は大声で笑ってくれました。

そして、彼女から『００（アタシの本名）さんって、占いが凄く上手いとやろ？』って聞かれたので、『私の占いめちゃくちゃ当たるとよ〜！』って、半ば冗談で答えたら、彼女の顔から笑顔が消えてしまいました・・・。

『何か悩みでもあると？』と博多弁で聞くと、彼女はとても悲しい顔で、『旦那の浮気相手から別れろ！って、嫌がらせをされている、旦那にその事を言ったら、お前の妄想やろ？って相手にされない。』と。

いきなりの立ち話からの、旦那の浮気相談・・・・。

今思えば、話だけでももう少しゆっくり、聞いてあげればよかったと、後悔しています・・。

時間も時間だったので、関わらないようにさりげなく別れの言葉を切り出し、その場を去ろうとすると・・・。
彼女が、慌てて電話番号とLINEを聞いてきたので、断るのもどうかと思って、電話番号とLINEを教えました。

翌日、彼女から『いきなり相談事をしてごめんなさい、今度福岡に戻ってきたら時間作ってもらえませんか？』と言った内容のLINEが届いていたので、『年末に帰るから年明けにでも、時間合わせようね〜。』と返信しました。

だけど昨夜、彼女は自らの命を断ちました。

遺書には、夫の不倫相手への憎しみ（呪い）の言葉が書かれていたそうです。

そして彼女の部屋には、私の著書が数冊遺されていたとのこと。

私は、彼女のことを知らなかったけど、彼女は私のこと覚えていてくれて、本も読んでくれていたのに、何も知らない私はあの時、彼女の命の期限に気付くことが出来ませんでした・・・・。
自殺の場合、死ぬ日は当然変えられます・・・・。

お母さんの話によると、彼女は、旦那さんの不倫相手からの嫌がらせによって、命を絶ったそうです。
でも、私は原因はそれだけじゃないと思っています・・・・。
きっと、旦那さんが不倫相手の事を認めようとせず、彼女の妄想だという言い訳で乗り切ろうとした事。
離婚を申し出ても、別れる気はないと、旦那が相手にしてくれなかったことも、大きな原因だと思います。

自分の旦那とその不倫相手に、知人は死に追い込まれてしまいました・・・・。

『死に追い込まれた・・・？。』
綺麗な響きですね・・・。

旦那とその不倫相手に”殺された”という方が、しっくり来ますね。

さて、間接的に見せかけた夫と不倫相手の殺人行為・・・・当然現行法では裁かれません。

たとえ、知人が自ら命を絶ったとしても、その根本の原因を作ったのは、その夫と不倫相手ですから。
法律が捌かなくても、必ず見えない世界の裁きが入ります。

お葬儀には、私の名前（BeBe)で、できるだけ大きなお花を送りました。

不倫相手は、必ず葬儀を見学に来ますから、『BeBe』という名前を、すぐにスマホで検索するはずです。

つまり・・・私が言いたいのはね・・・・。

彼女がいなくなっても、『オマエの悪事を全部私は知ってるし、彼女の旦那も同罪。』

ついでに、私の神様も視てるよ。

残りの人生せいぜい覚悟して暮らせばいい。
因果応報は必ずあるから。