九州男児55歳おぢの憂鬱　後編

Aloha

本日は、昨日のお話の続きを、お届けいたします。

毎年のように必ず、マリリンが用意してくれるバースディティアラを頭に乗っけて、今年もご機嫌で美女のポールダンサー引き連れて、ウキウキしていると・・・。

インターホンが鳴った・・・。

そう・・・ここは会員制のお店『博多のメス』(どんなネーミングよ・・・。）

１２時を過ぎるか過ぎないかくらいの時間だったので、私たちが誕生会をしている時はまだ、店内には女将のさおりんごちゃんと、私とマリリンとユキちゃんの４人しかいなかったわけだが・・・。

ここで、３人のおぢ達が入店して来た。

博多は、女性の数が圧倒的に多いので、男性は神のような存在だ・・・。
中でも、イケメンなんて生き物は、博多神仙界のヒエラルキーの頂点に立つ。

しかし・・・この日やって来たのは、普通のおぢ３人組。

1人は優しそうなおぢで無礼な態度は一切なかった。
もう1人は、私が20代ならばおぢと呼んで良いのだろうが・・・40代前半くらいのイケボ（声がセクシー）のおぢ。

この2人は、マナーも良く特に私たちに絡んでくる事もなく、離れた席から時折話しかけてくる程度で、何ら問題はなかったのだが・・・。

問題は・・・自称55歳の福山雅治と同じ幼稚園に通っていたと豪語する、厚かましいおぢだ・・・。

何を思ったのか、初対面でいきなり私の隣に座ったかと思うと、私の顔を見てこう言い放った。

『お前！金の糸顔に入れとう人やろ？』

そもそも・・・初対面で『オマエ』呼ばわりかよっ！！と関東方面の皆さんは驚くかもしれませんが・・・。
博多は九州男児が最も偉いので、大抵の人は酒が入ると初対面でも何でも女性に対して『オマエ』とか、平気で言ってくるのだよ。

１００歩譲って、『オマエ』といきなり呼ばれたことは、スルーしよう・・・。

がしかし・・・『金の糸顔に入れとうやろ？』はあまりにも、無礼すぎやしないか？

でも、あたいは我慢したんだ・・・。

あと20歳若かったら、間違いなく怒鳴り散らしていたであろう、このおぢの無礼な言葉にも、『金の糸とか入れてないですよ・・・。そもそも私お兄さんと初対面ですし・・・。』

そう答えると同時に、カウンター席に座っていた、おぢが気まずそうな顔で両手でバッテンマークを出していた！！
そして・・・『この人、金の糸の人じゃないよっ！！』って、慌ててフォローしてくれたのだが、時すでに遅し・・・。

自称55歳の無礼なおぢは、私の腰に手を回している。

ここでもあたいは、歯を食いしばって耐えた。

せっかくマリリンがアレンジしてくれた、楽しいお誕生日会をこのおぢに台無しにされてたまるもんか・・・。

しかし、そんな私の気配りを軽くスルーしたKYな55歳おぢは、私にこう言い放った・・・。

『男と女ってやっぱ身体の相性やと思うっちゃんね〜っ♪』

あぁ・・・気持ち悪い・・・・吐きそうだ・・・。

もう無理だ・・・あたいもババアだけど、少なくともこの55歳の無礼なおぢよりは、断然若い。
我慢の限界が来たところで・・・怒鳴るのも何なので、おぢに優しい声で質問してみた。

B『お兄さん（あえてお兄さんと呼ぶ。）お仕事何してらっしゃるんですか？』

おぢ「俺！一部上場企業で働きよったい！』

B『わぁ〜！！上場企業に所属してるなんて、エリートですね〜。』

おぢ『まぁね〜。』

B『てか、合意していない女性の腰に手をまわしたり、初対面の女性に身体の相性がどうとか卑猥な言葉吐くのってセクハラですよ。企業の中でやったら明らかにアウトですけど・・・オタクの会社ではコンプラ違反にならないんですか？しかも私ホステスでもないのに、なんで初対面の貴方のセクハラに耐えないといけないんですかね？触るの辞めてもらえます？』

ご機嫌が良くなるおぢに向かって、あたいのリボルバー発射！。

しかし・・・・。

おぢ『俺、オマエの上司じゃなかけん、セクハラとか関係なかろうもん〜。それにここ会社じゃないけん別によかろ〜も〜ん。』

なるほど・・・さすが九州男児・・・とことん性根が腐ってる・・・。

全く私の横から動く気配ない・・・。
これが・・・同じおぢでも真田広之とか郷ひろみなら話は変わるんだが・・・・。

そこでもう一発発射してみた・・・。

B「普段さ〜キャバとかさ〜そういうところでしか女子と会話しない人ってさ・・・素人に対してもいきなりキャバ嬢に吐くような言葉使うけどさ、もう一度言うけどこれセクハラね・・・。』

おぢ『オマエ店どこや〜？今度飲みに行っちゃ〜けん、そげん怒らんでいいやん〜。』

B『キャバ嬢じゃないんですけど・・・・。』

おぢ『あ〜？キャバじゃなかと〜？何の仕事しようと？』

B『コンサルです』

おぢ『は？お前がコンサルとか嘘やろ〜！誰がお前を雇うとや？何のコンサルしようとや〜？』

B『企業と顧問契約を結んで経営や人事のコンサルや、リスクのサポートをしています。』

おぢ『はぁ〜？コンサルとか言って、お前詐欺師やろ？』

この辺りで、カウンターにいた優しそうなおぢが、見るに見かねて止めに入ってくれて、『ごめんね。』って、私に謝ってくれた。

 

でも・・・55歳おぢは反省の気配がないどころか・・・また私に絡んできた。

おぢ『オマエ”コンサル”とか言うんやったら、投資について俺に何かアドバイスばし〜よ〜。俺、今資産形成ばしよっちゃけど、FXで今日1日で5万溶かしたったい！』

B『私ならFX（為替証拠金取引）は選びません。資産形成のツールとしてFXは私向ではないし、そもそもFXは「投資」ではなく「投機」っていう認識なので・・・。ところで、種銭はいくらですか？』

おぢ『10万！！これを投資で300とか500万にしたいっ！！』

B『ついでに言うなら、プラスサムの株式投資ですら50代半ばのあなたにはおすすめしない。有名な投資の格言に「卵は1つのかごに盛るな」という言葉があるくらいだから、投資の世界では、リスクを抑えるために「いかに投資先を分散するか」が重要なカギを握ることになるので、あなたが持ってる種銭10万で、十分なリスク分散ができないようならば、そもそも論、FXを資産づくりの中心に考えるのは辞めて、あくまでも趣味の範囲で楽しんだほうがリスクが小さくて済むんじゃないですかね・・・。』

おぢ『だったら、俺どうしたらいいとや？FXで稼げんのやったらどうやって資産ば作ればいいとや？俺の年収〇〇○しかないったい！どうやって給料以外の金ば増やせばいいとや？』

瞳を潤ませながら、なお私に突っかかってくる55歳のおぢ・・・。

この辺で我慢の限界を迎えたので、トイレに逃げた。

トイレから出てくると・・・マリリンがなぜか、55歳おぢに向かって『BeBeさんのLINE聞いたら？』と声をかける・・・。

B『嫌だ、教えたくない。』と答えると・・・・。

おぢ『別に俺たち利害関係がないけんLINE交換しても意味なかろうもん！』

おぢは偉そうに私にそう言い放った・・・。
何様だよ？

しかし・・・何故かマリリンが、とても困っている・・・・。
普段のマリリンなら私の好みのタイプを熟知しているはずだ・・・なぜ？こいつの肩を持つのか？

だいたいこのタイプのおぢに連絡先を教えようものなら、めんどくさいに決まっている。
それにおぢが言う通り、利害関係が一切ないし、おぢが相当めんどくさいので、予定より早くお店を出ることにした・・・。

店を出た途端・・・マリリンが憤怒の怒りと共に、こう言った。
『BeBeさんがトイレに行ってる時に、おぢがBeBeさんのLINE教えて欲しい！っていったけん、無理を承知で”LINE交換したら？”って言ってあげたのに、何？あのおぢっ！！急に話裏返して、利害関係が無いとか言い出す始末よっ！！失礼にも程があるやろっ！！（一緒に怒ってくれてありがとうマリリン。）』

なるほど・・・アタイがトイレに立っている間に、そう言うオチがあったのだね…。

九州男児はプライドが高い・・・。
飲み屋のお姉さんが優しいのは『仕事』だからなんだよ・・・。

普段、キャバ嬢としか連絡を交換していない”おぢ”にとって、女性からLINEを断られると言うことは、ちょっとした辱めと同等の扱いだったのだろう。

恥を知れっ！！55歳おぢよ。

Mahalo